2・腸内細菌の宿主(ヒト)への影響  

5 脳への影響

 セロトニンとドーパミンを酵素反応基質として脳のモノアミンオキシダーゼ活性を比較した結果を、図31に示した。この酵素は中枢神経系の機能に重要な役割を果たしている酵素である。図31に示す如く、モノアミンオキシダーゼ活性はいずれも通常ラットの方が著しく高く、腸内細菌が脳の中枢神経系をも活性化している事が判る。この事は腸内細菌が定着していれば「ぼけ」ないことを意味している。


図31


6 膵臓の酵素への影響

 膵臓はトリプシン、アミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素を含む膵液を分泌する外分泌部と、血糖を調整するインシュリンと、グルカゴンを分泌する、内分泌部(ランゲルハンス島)によって構成されています。この膵臓の機能をみたのが消化酵素リパーゼの比較です。図32に示すごとくリパーゼ活性は通常ラットで著しく活性が高く膵臓の機能を向上させている事が証明された。


図32

 


7 腎臓酵素への影響

 腎臓の主たる機能は体内で代謝合成される老廃物を血液中から取り、尿として体外に排泄することです。そこでこの腎臓を代表する酵素を比較したのが図33です。
 図33から明らかなように、腎臓の機能にも種々の変化を与え、特にピルベートキナーゼと云う、代謝上非常に重要な酵素活性が通常ラットでは高く、腸内細菌が腎臓の代謝機能を著しく高めている事が証明された。


図33





 

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