2・腸内細菌の宿主(ヒト)への影響  

8 腸内細菌とコレステロール

(・)コレステロール変換作用

 腸内細菌の代謝作用によって、コレステロールから生理活性のより強いステロイドの生成について実験を行なった。
 図34に示す如く盲腸内容物、結腸内容物、糞便を使用して実験を行なったところ、いずれにおいても、通常ラットでは多種類の、ステロイドホルモンが生合成されている事が判った。このように腸内細菌がコレステロールからステロイドホルモン生成に関与している事が明らかになった。


図34


図34


図34



(・)血清コレステロール低下作用

 我々は、無菌及び通常ラットを用い出生直後から40週齢までの長期にわたって血清コレステロール値を測定した。離乳期になる週齢まで、血清コレステロールレベルは急激に上昇し、以後、低下を始めるが6週齢以後は40週齢まで、常に通常ラットの方が、コレステロール値は低かった。又、興味ある点では、40週齢においては通常ラットのコレステロールが、無菌ラットの2分の1に低下している事である。すなわち腸内細菌は、図35に示す如く、老化と共にコレステロール値を、低下させる事が明らかになった。


図35





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