生体の正常細胞がガン細胞に変化する為には、Initiation(イニシエーション)とPromotion(プロモーション)の二段階が必要であると言われている。
イニシエーションとは細胞のDNAが損傷を受ける段階である。この作用をもつ物質をInitiator(イニシエーター)と言い、発ガン物質(Carcinogenカルシトゲン)や変異原物質(Mutagenムタージェン)がこれに属する。しかし、体細胞には損傷を受けたDNAを修復する能力があるので、必ずしも損傷を受けたDNAがガン化へ進む訳では無い。損傷されたDNAのうち元へ回復されずDNA機能を失っていないDNAを異化へと進行させる段階がある。この段階がプロモーションと言われる段階であり、これによってガン細胞へと導かれる。そしてこの作用をもつ物質(必ずしも物質だけでは無い)を、Promoter(プロモーター)と言う。
このような考え方を発ガンの二段階説(Two stage carcinogenesis)と言い、現在の発ガンの原因を代表する考え方である。又、ガン発生における二段階が発ガンのリスクファクターである。Initiation及び、Promoterの排除、不活性化ができればガンを予防できるのではないかと考えられる。
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